《北区の葬斎状況》
残念ながら北区は地理的及び歴史的に周囲の基礎自治体と比較して葬斎リソースが乏しい環境にあり、区が合葬墓苑の経営主体となることは行政の責任の範疇と考えらる。
※注1
《終の棲家も住み慣れた地域で…のニーズ》
遠方の故郷に先祖代々の寺があっても、お参りに行きにくい人、お参りが大変な郊外の大規模霊園にお墓を用意しても、死後に誰がお墓の面倒を見てくれるのか不安に思う人等々がいる。最近は住み慣れた近場に終の棲家を求める傾向がある。
《合葬墓へのニーズ》
「次の世代に迷惑をかけたくない」「お参りも簡単」という気持ちから、合葬墓を受け容れる環境は整いつつある。
《合葬墓苑候補地》
区役所隣接、阿弥陀堂の墓地整理及び墓苑化が最善と思われる。
※墓地の改葬の際、墓地使用者との合意形成や無縁墳墓の対応等が必要であるが、管理上、最適地と考える。
〇王子権現敷地の買収墓苑化
〇飛鳥山敷地の墓苑化
も適地である。
◎正受院(赤ちゃん寺)
《合葬墓苑の形式》
「永代供養」として、御遺骨を預かり、個別に安置して、数年後に合葬。戒名、法名はなしで、本名を記述する。
その他は「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」に規定する手順で経営する。
区は墓籍簿等の帳簿の管理を適切に行う。
《永代供養について》
将来にわたって墓(合葬墓)の管理(供養)を経営者に委ねるいわゆる「永代供養墓」の場合では、「永代供養料」として、管理料を一括して前払いし、使用料とあわせて一体のものとして払い込む。
《経営母体》
現在の区営のセレモニーホールの運営はゼロから見直して、永代供養合葬墓苑と連携させる。新たに、管理者を募集する。
《合同法要》
秋分の日(祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ:祝日法)に合同法要を行う。
《注1》
北区は地理的、歴史的に葬送環境が乏しい状況にある。
豊島区のように巨大な公立の霊園はない。足立区のような都心から移転した寺町もない。荒川区や板橋区のような火葬施設や区が指定する整った葬斎システムはない。
北区には江戸時代に大伽藍を持つ寺院が、存在したが、幕末の火災とその後の廃仏毀釈で廃寺となり、復活はしたが、往時の隆盛はない。
以上